地球観測衛星「だいち4号」搭載見送り H3ロケット2号機 初号機失敗で方針変更 今後の発射計画に影響も

 2023/05/25 09:03
〈資料写真〉地球観測衛星「だいち3号」を搭載し上昇するH3ロケット1号機=3月7日午前10時38分、南種子町の種子島宇宙センター
〈資料写真〉地球観測衛星「だいち3号」を搭載し上昇するH3ロケット1号機=3月7日午前10時38分、南種子町の種子島宇宙センター
 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は24日、1号機打ち上げに失敗したH3ロケットの2号機について、予定していた地球観測衛星「だいち4号」搭載を見送ることを明らかにした。方針変更により、今後の発射計画にも影響があるとみられる。文部科学省の宇宙開発利用部会で報告した。

 だいち4号を失うと打ち上げ計画などへの影響が大きいと判断し、代わりに性能データを得る装置を搭載する。2号機は2023年度後半の打ち上げを計画している。

 2号機はメインエンジンを3基搭載し、固体ロケットブースターを付けない、これまでにないタイプを想定していた。これをメインエンジン2基、固体ロケットブースター2基とし、H2Aで実績を積み重ねた方式に変更する。

 「だいち3号」が搭載された1号機は3月7日に鹿児島県南種子町の種子島宇宙センターから打ち上げた。1段目と2段目の分離までは順調だったが、2段目エンジンが着火せず指令破壊した。2段目エンジンを駆動する装置内で電流のショートや漏電が起き、過大な電流の発生につながった可能性が高いとしている。

■ロケットの町「まずは成功を」

 国産の新型基幹ロケット「H3」を巡り、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が24日に示した方針は、早期打ち上げに向けて確実性を追求した格好だ。宇宙開発と深い関わりがある鹿児島県の南種子、肝付両町では「まずは成功させることが大事」と理解を示す声が聞かれた。

 3月の1号機打ち上げでは、種子島宇宙センターを望む南種子町の見学場で約1700人が見守った。失敗に終わった直後、町商工会はJAXAにエールを送るポスターを作成。今も飲食店などに貼られている。山中強会長(60)は「町民の期待は薄れていない。念には念を入れて準備を進めてほしい」と話した。

 肝付町の内之浦宇宙空間観測所では昨年10月、固体燃料ロケット「イプシロン」6号機の打ち上げが失敗している。「きもつき宇宙協議会」の村岡知行代表理事(51)は「関係者と話すと『次は失敗できない』と強いプレッシャーを感じている印象。宇宙産業全体を考えればH3とイプシロンは切っても切れない関係。気持ちが和らぐよう協力したい」と語った。