相次ぐ地震に今度は台風2号…十島村住民「気が休まらない」 31日からはフェリー欠航か

 2023/05/30 08:03
コンテナが積み込まれるフェリーとしま2=29日午後8時40分、鹿児島市本港新町の南ふ頭
コンテナが積み込まれるフェリーとしま2=29日午後8時40分、鹿児島市本港新町の南ふ頭
 13日に震度5弱を観測した鹿児島県十島村では、27日夜にも中之島と口之島で震度4の揺れが起きるなど2週間以上にわたり継続的な地震が続いている。29日現在では台風2号が東シナ海を北上する予報も出ており、住民らは「気が休まらない」と不安と警戒が続いている。

 十島村役場は震度4の地震発生を受けて、防災無線などで引き続き警戒するよう島民へ注意喚起した。台風2号の進路も注視しており、同村総務課は「地震の影響で地盤が緩んでいる可能性もある。土砂災害や台風の風雨にも注意してほしい」としている。

 同村によると、県本土と結ぶ定期船「フェリーとしま2」は台風の影響により、29日は宝島折り返しの条件付き運航。鹿児島市を出港するフェリーには次々とコンテナが積み込まれた。31日の同市出港便から欠航の可能性がある。6月2日以降の便にも影響が残る恐れがあるという。

 「欠航が続いて物資が途絶えるのは不安」。中之島で畜産業を営む里博文さん(46)は、台風の影響を見越し、27日の便で普段より多めに食料を注文した。日持ちする冷凍食品が中心だが「停電になれば保存も難しい」と苦慮する。消防分団長として地震や台風への警戒が続き、「大きな被害が出ないことを祈るばかり。早く日常に戻ってほしい」と願った。

 週明けの29日、中之島小中学校の新留正和校長(57)は27日夜の地震後、元気に登校してきた児童生徒の姿を確認して安心した。ただ地震は続いており「いつまた大きな地震が来るか心配。危険な所に近づかないよう、台風情報も見ながら児童生徒に注意を呼びかけたい」と話した。