LGBTQの学習をきっかけに校則へ感じた違和感…「自分らしさ尊重させて」 全校生徒で議論、学校側に改善求める

 2023/06/02 08:33
自分らしさを尊重した校則について話し合う生徒=南大隅町佐多伊座敷の第一佐多中学校
自分らしさを尊重した校則について話し合う生徒=南大隅町佐多伊座敷の第一佐多中学校
 人権教育に力を入れる鹿児島県南大隅町の第一佐多中学校で5月26日、性別にかかわらず自分らしくいられる校則について語り合う生徒総会があった。3年生から出た「中学生らしさではなく、自分らしさを尊重した髪型や服装にすべきだ」との意見を踏まえ、全校生徒22人で意見を出し合い改善策を学校側に求めた。

 同校では、3年生がLGBTQ(性的少数者)について学習したのをきっかけに、校則のあり方への関心が高まった。

 総会では3年の本田善朗さんが「今、高校では男女に限らず制服を選択できる。中学も変わるべきだと思う」と問題提起。他の生徒からも「女子のスカートは冬は寒い。ズボンにして」「男女関係なく着ることができるデザインの制服を」と要望が相次いだ。

 想定問答を用意した生徒会役員の6人が回答し、想定外の質問のときなどは教員がタブレット端末を通して助け船を出した。生徒会長の黒木悠真さん=3年=らが自分自身の言葉に置き換えて答えた。

 この日は「身だしなみを整えるため、男子が前髪をピンでとめることなどを許可してもらう」「私服で登校しても良い日をつくり、感想や意見を生徒に聞く」などを学校側に提案することが賛成多数で決まった。

 小田敬介校長(55)は「正解はないかもしれないが、話し合えばベストな答えは出せる。いろいろな立場で物事を捉えることが大事。生徒が出した答えを先生方と検討して、実現できるように頑張りたい」と語った。