【鹿児島市スタジアム構想】DP跡地と住吉町どちらも断念へ 6日の市議会特別委で説明、代替案に注目

 2023/06/02 07:15
更地のドルフィンポート跡地(中央)は県新総合体育館の計画が進む=1月12日、鹿児島市(本社チャーター機から撮影)
更地のドルフィンポート跡地(中央)は県新総合体育館の計画が進む=1月12日、鹿児島市(本社チャーター機から撮影)
 鹿児島港本港区エリアに多機能複合型サッカースタジアムを構想する鹿児島市が、候補地のドルフィンポート(DP)跡地と住吉町15番街区を断念する方針を固めたことが1日、複数の関係者への取材で分かった。6日の市議会特別委員会で説明する。

 DP跡と住吉町を候補地としていた市は3月以降、「2カ所を含む本港区エリアで検討」と言い回しを変えた。2カ所以外に広い敷地は限られ、市議会では「北ふ頭」を新たな候補地とする見方が浮上。特別委で市当局が代替案を提示するか注目される。

 DP跡地は県が新総合体育館を計画し、2029年度にも開設する工程を4月に発表。隣接する緑地は保全する方針が示されており、緑地をつぶすスタジアム構想は、塩田康一知事、下鶴隆央市長とも「厳しい状況」との認識を示していた。

 住吉町は県が「協議の余地はある」とするものの、市は「敷地の拡張が必要」とし、採算性を課題に挙げていた。一方、鹿児島商工会議所は会議場や観光施設の整備を提言している。

 市は19年、DP跡地と住吉町、浜町バス車庫の3カ所を候補地に絞り込んだ。浜町は今年2月、敷地の大半を所有する民間事業者の取り下げ要請を受けて除外した。

 本港区エリアの全体像を議論する県利活用検討委員会は、区域ごとの機能を決めるゾーニングを8月から本格化させ、年度内に取りまとめる。下鶴市長はこれまでの取材に「県検討委のゾーニング議論で市の考えを伝える」と話している。