論理的で科学的…看護教育の質向上に貢献 ナイチンゲール記章に98歳今村さん(鹿児島市)

 2023/06/02 11:32
今村節子さん
今村節子さん
 第49回フローレンス・ナイチンゲール記章に、公益社団法人教育・ヘルスケア振興節英会理事の今村節子さん(98)=鹿児島市=が選ばれた。看護教育の質向上に貢献した活動が評価された。授与式は7月に東京で行われる。

 鹿児島県出身者の受章は、一昨年のペシャワール会の藤田千代子さんに次いで4人目。

 今村さんは南九州市川辺出身。東京の聖路加女子専門学校で看護を学んだ。鹿児島県看護学校の教務主任を務め、東京大学医学部衛生看護学科の創成期には看護教員の一人として赴任し、教育体制の構築に尽力した。1990~93年、県看護協会長。現在、鹿児島中央看護専門学校顧問。

 看護教育に「論理的で科学的」な概念を取り入れた。看護は、人間の「感性」を磨き、「感動」のドラマがあり、成功に「歓喜」があり、日々に「感謝」があり、人間を「完成」へと誘う、という「鹿児島方式看護の心5K」を提案。地域医療を担う看護師のキャリア開発を支援する節英会を鹿児島市に設立。学生への奨学金事業を創設し、学びを支えている。

 今村さんは受章を受け、「周りが喜んでくれているのが何よりうれしい。関わってくださった皆さんのおかげです」と話している。

 ナイチンゲール記章は2年に1度、赤十字国際委員会が、功績があった看護師らに贈る。今回は22カ国・地域から37人が受章、日本からは今村さんを含めて3人だった。