消えゆくのも砂像の美学…吹上浜砂の祭典、像の撤去作業始まる

 2023/06/02 18:00
重機で崩される「吹上浜砂の祭典」の砂像=1日午前10時半、南さつま市役所
重機で崩される「吹上浜砂の祭典」の砂像=1日午前10時半、南さつま市役所
 鹿児島県南さつま市で開かれた「吹上浜砂の祭典」の砂像の撤去作業が1日始まった。市役所などに展示した世界の動物や建物をかたどった作品が重機で次々に崩され、市民や制作者が名残惜しそうに見守った。4日までに37基が砂に返る。

 祭典は5月3~5日にあり、入場者は昨年を約1万4000人上回る約4万9300人。砂像はその後も1カ月展示された。砂は約1000立方メートル使っており、採取した「砂丘の杜(もり)きんぽう」に戻し再利用する予定だ。

 祭典実行委員会の松元正明実施推進本部長(66)は「壊すのはもったいないとの声もあるが、いつまでも残らずに消えゆくのも砂像の美学。来年もまた来場し目に焼き付けてほしい」と語った。