九州の国立大で58年ぶり全日本大学野球選手権へ 初出場の鹿屋体大、躍進の秘密は「可視化」にあり
2023/06/02 15:58

動作解析のために投球をする鹿屋体大の投手=同大
宮崎、熊本、沖縄県の代表と対戦し、リーグ1位が全国切符を得る南部九州ブロック大会決勝リーグ。鹿屋体大は、危なげない試合運びで3戦3勝した。
初戦の宮崎産経大戦は、5回に5安打を集中し一挙7点を奪い12-2のコールド勝ち。2戦目の沖縄国際大戦は、小川と森田が完封リレーを見せ2-0とした。
3戦目の東海大九州戦(熊本)は三~6回に谷本や川瀬の適時打などで得点し、8-1のコールド勝ちで全国切符をつかんだ。3試合で打率3割1分1厘、2人の投手で失点3にまとめた。
◇ ◆ ◇
チームによると、打球速度が158キロを超えると、ヒットになる確率が高まるという。選手は、ハイスピードカメラの映像やデータを駆使して、フォームの改善や筋力トレーニングに努めた。
大学3年の窪田は、入学時137.5キロだった打球速度が1年間で10キロほど向上。「手首のコックを意識したらスイングが速くなった」。チーム全員が打球速度160キロを目標に掲げて、6人が達成した。
◇ ◆ ◇
「ナイスボール!」「感覚良かったんじゃない?」。スポーツパフォーマンス研究施設でミットの音が響く。マウンドの周りには16台のモーションキャプチャーが置かれ、投手は約50個のマーカーを着けて投げていた。
ボールの回転軸やスピン量、変化量を測定する機器を使い、一球ごとに画面に数値が表示される。計測を終えた岩崎投手は「回転効率をよくするのが課題。データは足りない部分を考える材料になる」。鈴木恵佑投手コーチは「新しい変化球を習得する時に役に立つ」と話した。
◇ ◆ ◇
決勝リーグで、12イニングを無失点に抑えた小川投手はカットボールが決め球だ。「変化が悪いときは手首が寝て、ボールの回転が緩くなっていた。抽象的な部分を自分の中に落とし込みやすくなった」。調子のいい時と悪い時の感覚を、機器を使うことで証明できると喜ぶ。
藤井雅文監督は「データ分析により目標が明確になった。選手自身が考えるきっかけにもなっている」と手応えを口にする。原俊太主将は「データを指標にすると、モチベーションが上がる」と効果を実感している。
あわせて読みたい記事
-
和風の筆致 モノクロで描く生命の神秘 小林達史さん個展 山形屋画廊で3日まで9月30日 20:30
-
会話は英語のみ! 中学生12人が1泊2日キャンプに挑む いちき串木野市〈WEB限定写真あり〉9月30日 20:00
-
今季加入の元NBA選手、公式戦出場しないまま退団 バスケB3鹿児島レブナイズ9月30日 18:00
-
【全日本ソフトボール】山口水産が8強、目標の日本リーグ入り濃厚に 地元国体にも弾み9月30日 16:30
-
日豊線で断続的な停電、南宮崎-都城間の運転見合わせ 鹿児島県内でも運休や遅れ JR九州9月30日 14:17
-
海自1等海尉が女子トイレにカメラ 10人以上盗撮で罰金50万円 鹿屋簡裁9月30日 11:36
-
【バスケB3】鹿児島レブナイズ、初戦はアウェーで10月7日 メンバー半数刷新、B2昇格へ手応え9月30日 11:30
-
衛星データ使ってビジネスチャンスを…リモート・センシング技術活用で県がイベント9月30日 09:00
-
こいつ、動くぞ…スマート農業普及へ田植え、草刈りロボットの実演会 県農業開発センター9月30日 08:30
-
夕日すっぽり、龍の目キラリ 奄美大島・龍郷の「かがんばなトンネル」9月30日 08:30
-
県内景況、1年8カ月ぶりに引き下げ 生産活動低調で「勢いがやや減速」 鹿児島銀・KER9月30日 08:00