眠らせておくのはもったいない…築100年以上の武家屋敷をホテルに 出水麓の加藤邸と土持邸が改修オープン

 2023/06/03 21:17
「RITA 出水麓 加藤邸」の外観=出水市麓町
「RITA 出水麓 加藤邸」の外観=出水市麓町
 鹿児島県出水市麓町の武家屋敷を活用した宿泊施設「RITA 出水麓 加藤邸」と「RITA 出水麓 土持邸」が2日に開業した。それぞれ長年の歴史がある屋敷を柱や壁、縁側など活用できる部分を残しながらホテル仕様に改修した。

 建てられて約100年で、教員住宅などとして使われていた加藤邸は、1棟(定員6人、延べ床面積155平方メートル)貸しの客室に生まれ変わった。米之津川の砂を使った壁や、五右衛門風呂を備える。子ども連れや友人グループでの利用を想定する。

 築120年ほどの土持邸は二つの客室を設けた。客間である上座敷を中心とした客室(同6人、同128平方メートル)は赤茶色のベンガラ壁が特徴。生活空間が中心の客室(同2人、同61平方メートル)には土間の炊事場があり、懐かしさを感じさせる。隣の敷地にはレストランが7月開店予定だ。

 古民家再生を手掛ける同市の運営会社「いづる」が、1年前にオープンした「RITA 出水麓 宮路邸」と合わせて、武家屋敷ホテルは計3棟6室になった。事業者や地元関係者が出席した1日の開業式典で、小田切俊彦代表取締役(40)は「出水麓を盛り上げて、引き続き活性化に寄与したい」とあいさつした。