介護ケアプラン文書に不備、支援事業所「心の家」へ改善勧告 老人ホームなど関連12施設も指導 鹿児島市

 2023/06/08 08:46
鹿児島市役所
鹿児島市役所
 介護保険サービスを利用する際のケアプラン(介護計画)作成に関する文書に不備があったなどとして、鹿児島市が同市の居宅介護支援事業所「心の家」に対して改善勧告を出していたことが7日分かった。有料老人ホームやデイサービスなど関連する12事業所も指導した。6月末までに改善と報告を求めている。

 市によると、勧告で指摘したのはプラン原案への本人か家族の同意署名が確認できないケースなど。プランの実施状況を記した文書も残っていなかった。

 市は2022年12月以降、関連施設を巡り給与や人員不足に関する相談を受け、今年5月前半に16施設に指導や立ち入り検査を実施。うち2施設を同月後半に監査した。文書での勧告や指導は同31日付。勧告以外の指導は、職員体制が重要事項説明書の記載と合っていない、栄養士が献立を作っていない、提供したサービスの記録が確認できなかったなど。

 心の家を管理する責任者は「関連施設を廃止、新規職員を採用し、人員不足の解消に取り組んだ。今回のような問題が今後ないよう取り組む」と話した。勧告や指導を受けた13事業所のうち、6施設は廃止した。

 関連施設を巡っては元職員3人が5月会見を開き、給与が未払いになっており「退職が相次ぎ人が足りない」と訴えた。長期間入浴ができない利用者がおり、食事の提供について利用者と施設側との契約が守られていなかったとしていた。