公用車にトゥクトゥク 三輪自動車2台導入、地域おこし協力隊に配備 南さつま市

 2023/06/09 18:05
トゥクトゥクに乗り住民と談笑する堀内元気さん(右)=南さつま市坊津町久志
トゥクトゥクに乗り住民と談笑する堀内元気さん(右)=南さつま市坊津町久志
 鹿児島県南さつま市の地域おこし協力隊員に、東南アジアで普及する三輪自動車「トゥクトゥク」が“公用車”として配備され注目を集めている。4月に坊津町久志へ赴任した堀内元気さん(39)は奇抜な車を乗りこなしながら、東京のFM局でのDJ経験を生かした情報発信に力を入れている。

 昨年の「吹上浜砂の祭典」でトゥクトゥクを使って来場者を案内したところ好評だったため、市や地域のPRに最適と判断。県の半島特定地域「元気おこし」事業の補助金約500万円を活用し2台導入した。堀内さんのほか1月に坊津町泊の清原地区に着任した協力隊員橋口里菜さん(27)にも4月末に配備された。

 7人乗りで、訪れた移住希望者を案内するほか、交流サイト(SNS)や公民館ブログで紹介。地区の空き家調査にも使っている。久志で5月末にあったジャガイモ掘り体験会では、親子を乗せて集落を一周し大盛況だったという。

 神奈川県平塚市出身の堀内さんは、東京・吉祥寺を拠点とする「むさしのFM」で16年間、番組制作やDJとして活躍。自然豊かな坊津の魅力に引かれ枕崎出身の妻と子どもの家族5人で移住した。「可能性と魅力を秘めた地。トゥクトゥクも活用し住民と移住者の架け橋になりたい」と話す。

 久志地区公民館長の尾場瀬仁さん(67)は「車は大人気で話のきっかけになっている。協力隊員のアイデアで地域の元気やにぎわいにつなげてほしい」と期待している。