北ふ頭なら港湾計画見直し必至、10年以上かかるかも…サッカースタジアム構想 鹿児島市長「早めに市民と共有すべきだった」

 2023/06/09 21:42
多機能複合型サッカースタジアム構想について説明する下鶴隆央市長=9日、鹿児島市役所
多機能複合型サッカースタジアム構想について説明する下鶴隆央市長=9日、鹿児島市役所
 鹿児島市の下鶴隆央市長は9日の定例会見で、鹿児島港本港区エリアで構想する多機能複合型サッカースタジアムの実現に向け設置する協議会について、早期の立ち上げを目指す意向を明らかにした。新たな候補地となった北ふ頭での配置案や施設規模、付帯機能などを示すため、「これまでの調査が活用できるか、追加が必要か検討したい」と理由を説明。設置に向け、市議会と調整を図りたい考えを示した。

 エリアの全体像を決める県利活用検討委員会は、区域ごとの機能を決めるゾーニングを8月から本格化させ、年度内に取りまとめる。下鶴市長は、北ふ頭が市民や観光客でにぎわう場所と認められる必要があるとし、「議論で必要なものを示せるよう、議会とコミュニケーションを取りながら、できれば早期に立ち上げたい」と話した。設置時期には言及しなかった。

 ただ、協議会を巡って、市議会産業観光企業委員会は3月定例会で、土地所有者(県)の理解・協力とオール鹿児島での取り組みが整うまでは、予算執行を慎重に対応するよう付帯決議しており、設置のめどは見通せない状況だ。

 会見では、北ふ頭への整備を巡り、県の塩田康一知事が、記者団の取材に「(土地利用を規制する)港湾計画の見直しには一般的に10年、場合によってはそれ以上かかる」と発言したことへの所感も問われ、下鶴市長は「港湾計画の改訂に時間を要するのは事実。(建設には)ある程度時間がかかることを市民と早めに共有すべきだった」と話した。