地方のボウリング場がまた一つ...金山の街で創業51年、「ゴールデンボウル」23日で閉店 かつて5時間待ちの時代も

 2023/06/18 15:08
多くの客でにぎわう串木野ゴールデンボウル=いちき串木野市東塩田町
多くの客でにぎわう串木野ゴールデンボウル=いちき串木野市東塩田町
 鹿児島県いちき串木野市のJR串木野駅前にあるボウリング施設「串木野ゴールデンボウル」が23日の営業を最後に、51年の歴史に幕を閉じる。所有する同市の砕石業・中馬によると、建物の老朽化が理由。ボウリング場のない北薩地域からの来客も多く、常連客らは「寂しい」と残念がっている。

 中馬や運営するサードプラネット(神奈川県)によると、開場は1972年2月。店名は串木野金山に由来し、現在は16レーンを備える。中馬浩会長(65)は「ブーム時は4、5時間待ちになるほど人が集まった」と振り返る。「愛好家の方々をはじめ、支えてくれた人たちに感謝したい」。閉場後は取り壊し、跡地の利用法は検討中という。

 常連らは別れを惜しんでいる。同市八房の山崎典男さん(74)は古くから例会を開き、競技普及や指導にも努めた。「みんなの成長が楽しみだった。寂しいが、地方でよくここまで続けてくれた」と感謝した。

 出水市野田町上名の川原秀行さん(78)、恵子さん(79)夫妻は薩摩川内市のボウリング場がなくなって以降、毎週仲間と汗を流す。秀行さんは「今後は霧島市まで月1回行こうと思うが、楽しみが減ってしまう」と話した。

 23日まで休みなく営業する。併設するゲームセンターは、隣の中馬ビルに移転する。