海保の新造巡視船「あさなぎ」が鹿児島港に到着 尖閣警備強化へ5隻目の6000トン級、全国最多

 2023/07/16 08:08
入港した巡視船「あさなぎ」を出迎える保安官ら=15日、鹿児島市の鹿児島港谷山2区
入港した巡視船「あさなぎ」を出迎える保安官ら=15日、鹿児島市の鹿児島港谷山2区
 鹿児島市の鹿児島港谷山2区に15日、鹿児島海上保安部のヘリコプター搭載型の新造巡視船「あさなぎ」(約6000トン)が初入港した。中国船が領海侵入を繰り返すなど緊張が続く尖閣諸島(沖縄県)周辺領海の警備体制強化などに対応する。同保安部には6000トン級の大型巡視船が全国の海保で最多の4隻が所属しており、あさなぎ就役で5隻目。年度内に同型の大型巡視船も加わり6隻体制となる。

 鹿児島港は南西諸島をはじめ東シナ海、南シナ海と全方位に出やすく、海保幹部は「海を守る要衝」と位置付ける。沖縄に大型船が着ける岸壁が少ない実情もあるという。

 浜平清志保安部長は「海上保安において鹿児島の注目度が上がっていると実感している。緊張感を持って業務を遂行していく」と語った。

 あさなぎは全長約140メートル、定員60人。遠隔操作可能な放水銃や監視採証装置、40ミリ、20ミリ機関砲などを装備している。海難救助などに当たるヘリコプター「おおたか」を2機搭載する。総工費約175億円。

 6日、山口県下関市にある三菱重工業の造船所から海上保安庁に引き渡された後、操船などの洋上訓練をしながら入港した。原田正彦船長は「機動力を備えた最新鋭の装備を活用し、領海警備などの任務に当たる」と話した。