生活保護引き下げ「生存権の侵害」 受給者30人が国など提訴、来年1月15日判決 鹿児島地裁

 2023/07/25 17:56
 生活保護基準引き下げで憲法が保障する生存権を侵害されたとして、鹿児島市、出水市の受給者30人が、両市の減額処分取り消しや国家賠償を求めた訴訟の口頭弁論が24日、鹿児島地裁(坂庭正将裁判長)であった。原告、被告側の双方が最終陳述し結審した。判決は来年1月15日。

 原告側代理人は「生活保護世帯の生活実態に照らしたデータや科学的知見に基づいておらず、引き下げの根拠がない」などと訴えた。被告側は「基準改定についての厚生労働大臣の判断の過程や手続きに欠落はなく、裁量権の乱用は認められない」と請求棄却を求めた。

 厚生労働省は2008~11年に物価が下落したとして、13~15年の3年間で基準額を平均6.5%、最大で10%引き下げた。

 県内では15年12月~16年1月に計32人が提訴。その後、亡くなった日置市の1人を含め2人が訴えを取り下げた。

 同様の訴訟は全国29都道府県で起こされ、一審判決21件のうち原告側勝訴は11件。

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