〈台風6号〉宿泊予約キャンセル、延期続々 動き遅く、複雑な進路…「影響いつまで」気をもむ商店主や農家

 2023/08/07 08:33
台風対策を施し、ひっそりとした市街地=6日午後2時半ごろ、屋久島町安房
台風対策を施し、ひっそりとした市街地=6日午後2時半ごろ、屋久島町安房
 進路を反転させるなど複雑な動きで鹿児島県奄美地方に長期間影響を与えてきた台風6号は6日、徳之島付近をゆっくり東に進んだ。今後、進路を北に変え、種子島・屋久島地方や県本土に迫るとみられる。「進路を何度も確認している」「早く通り過ぎて」。進路予想先の住民は読めない動きに戸惑いつつ、警戒を強める。

 徳之島では県道や林道などで暴風による倒木が相次いだ。庭の木が折れたという天城町岡前の服飾デザイナー小林美晴さん(37)は「接近時は自宅でビクビクして過ごした。染色などの屋外作業が7月末からできておらず、仕事に影響が出ている」と嘆く。

 風速15メートル以上の強風域に入った屋久島の市街地は、住民や観光客の姿がほとんどなく車もまばら。屋久島町麦生の農業鎌田正直さん(87)は「ポンカンなどの果樹園は防風林があるが風向きによっては被害が出る。自然相手だから仕方がない。過ぎ去るのを待つしかない」と語った。

 薩摩川内市里町里で商店を営む角充さん(83)は「太平洋側を進むと思っていた。動きが予想ができず、何度も予報を確認している」と気をもむ。

 近くの「ホテルエリアワン コシキアイランド」は、3~5日の宿泊予約が40件ほどキャンセルや延期に。山河幹也支配人(47)は「台風の動きが遅いため、長期にわたってキャンセルが出ている。10日ごろまで影響は続きそう」と注視する。