もはや「いす」です…銀行前の?な円柱 バス待ち市民に重宝され増設 本来の目的と違うけど役に立って「うれしい誤算」

 2023/08/21 17:10
5基から9基に増設された円柱=鹿児島市金生町
5基から9基に増設された円柱=鹿児島市金生町
 鹿児島市金生町の鹿児島銀行本店前に並ぶ石造りの円柱が、7月下旬、5基から9基に増えた。高さ約35センチ、直径約25センチで腰掛けるのにちょうどよく、目の前の金生町バス停でバスを待つ市民に重宝されていることから、銀行側が増設した。

 同行によると、円柱は2月ごろ、歩道に突っ込んだ車から建物を防護したり、建物前への自転車やごみの放置を防いだりするのを目的に設置した。

 しかし、その利便性から「バス待ちの腰掛け」として利用する人が絶えなかった。同行は、円柱の想定外の貢献を「うれしい誤算」と捉える。経営企画部の上妻美穂さんは「円柱が思わぬ形で市民の役に立っていると知り、数を増やした。引き続き『いす』として使ってほしい」と話す。

 田上2丁目の久富木ミヨ子さん(93)は「足が悪いので、腰掛けがあると助かる。埋まっていることも多かったので、数が増えるのはありがたい」と増設を歓迎する。

 円柱は建物のすぐ脇にあるため、雨の日はビルとアーケードの隙間から水が落ちてきて座れない。同行総務部の山下宏樹調査役は「雨にぬれないよう、隙間を埋めることも前向きに検討したい」と述べた。