悪質客引き・違法風俗店にきっぱり「NO」 南九州一の繁華街天文館で鹿児島国体前に官民連携しパトロール

 2023/09/08 17:58
悪質な客引きへの注意を呼びかける合同パトロール=鹿児島市天文館地区
悪質な客引きへの注意を呼びかける合同パトロール=鹿児島市天文館地区
 県外客増加が見込まれる10月の鹿児島国体・全国障害者スポーツ大会を前に、鹿児島県警は地域ボランティアや鹿児島市と連携し、南九州一の繁華街「天文館」の悪質客引きや違法風俗店への警戒を強化している。10月1日に施行される客引き行為などを禁止する鹿児島市の条例の周知や指導、取り締まりに力を入れる。

 天文館では落書きや飲酒禁止区画での飲酒、悪質な客引き、スカウト行為が問題となっている。県警によると、客引きの摘発、中止命令ともに2020、21年は0件だったが、22年は中止命令6件、23年は摘発1件、中止命令5件(8月時点)と増加。市は禁止区域での全ての業種を対象に特定の相手への客引きなど五つの行為を禁止する独自の条例を制定した。

 県警は7月28日~10月15日を天文館地区の集中的総合環境浄化対策期間に設定。8月29日夜、鹿児島中央警察署員を中心に地域ボランティア団体「天ちゃん会」メンバーや市職員らが決起大会を開き、文化通りやG3アーケードを練り歩いた。

 約70人の参加者は新条例の禁止区域や違反者への罰則を記したチラシ200部を通行人らへ配り、「違反をさせた店も指導対象」「勧誘はきっぱり断って」と呼びかけた。「参考にする」とチラシを自ら受け取る客引きもいた。

 天ちゃん会の高田秋穂会長は「鹿児島に来て良かったと思ってもらえるような街を目指す」。中央署の砂本安久天文館・地域安全対策官は「コロナの落ち着きとともに人流も回復している。手を取り合い、環境浄化に努める」と話した。