つながりにくいかもしれない、でも電話してほしい…10日から自殺予防週間 自殺死亡率全国4位の鹿児島県

 2023/09/10 08:30
相談を受ける鹿児島いのちの電話の相談員=鹿児島市
相談を受ける鹿児島いのちの電話の相談員=鹿児島市
 10日から「自殺予防週間」が始まる。鹿児島県内の2022年の自殺者数は、人口動態統計(厚生労働省、概数)によると前年比65人増の315人で、人口10万人当たりの自殺者数(自殺死亡率)は20.3だった。県障害福祉課によると、自殺死亡率は全国4番目の高さで、20を超えるのは14年以来。県は「心配があれば迷わず相談してほしい」と呼び掛ける。

 県の自殺者数は2006年の507人以降減少傾向で、21年は250人だった。同年の男女別は男性161人、女性89人で、新型コロナウイルス禍の2020年から男性は2年連続減少したのに対し、女性は増加している。

 22年の男女別数は現段階で未公表だが、川崎誉代精神保健福祉対策監は、コロナ禍の影響が特に女性の自死につながっていると分析。「女性は非正規雇用が多く失職が増えたことや、在宅時間の増加でドメスティックバイオレンス(DV)などの家庭問題を抱えやすいなどの影響が全国的に指摘されている。県内でも同様の傾向が考えられるのでは」との見方を示す。

 鹿児島いのちの電話(鹿児島市)では、24時間365日体制で相談にあたる。事務局によると、相談者は男性が多かったが、ここ数年職場でのパワハラなどを訴える女性が増えてきている。総数のうち、自殺をほのめかす内容は男性より女性の割合が高かった。

 物価高による生活苦や、デジタル社会について行けない高齢者から孤立感を訴える電話も目立つ。著名人の自殺のニュース後に相談が増加することもある。事務局は「電話がつながりにくい状況があるかもしれないが、不安な時に頼りにしてほしい」と相談を促す。

 自殺に関する相談は、鹿児島いのちの電話(24時間)=099(250)7000、県精神保健福祉センター(平日午前8時半~午後5時、9月11~15日は午後7時まで)=099(218)4755、県自殺予防情報センター(月・木曜午前9時~正午、午後1~4時)=099(228)9558。