プレートが相互作用するトカラギャップ…十島村の地震、累計292回に 悪石島では再び震度4
2023/09/12 07:30

11日は午後11時半までに、震度4が悪石島で1回、震度2と1が同島や小宝島などで14回あった。震源地はいずれもトカラ列島近海。震度4の震源の深さは30キロで、地震の規模はマグニチュード5.3と推定される。10日は震度3が1回、震度2と1が21回の計22回発生した。
十島村役場では9日から職員が24時間体制で待機している。これまで被害は確認されていない。
鹿児島大学の地頭薗隆教授(砂防学)は「震度5弱以上で地盤の崩壊が確認される。急傾斜地の近くでは落石やがけ崩れに注意してほしい」と警戒を呼びかける。悪石島では2021年の4月と12月にも地震が頻発し、12月は震度5強を観測した。
■気象台の分析は「縦ずれ断層型」
8日未明から続くトカラ列島近海を震源とする地震について、鹿児島地方気象台は「ユーラシアプレート内で発生した縦ずれ断層(正断層)型」と分析する。大陸側のユーラシアプレートが太平洋側のフィリピン海プレートに引っぱられる形で内部に負荷がかかり、正断層型の地震を引き起こしているという。
悪石島と小宝島の間にはトカラギャップと呼ばれる水深1キロ超の海峡がある。トカラ列島周辺にはフィリピン海プレートやユーラシアプレート、南西諸島の西に延びる沖縄トラフ(海底盆地)があり、これらが相互作用することで頻繁に地震が発生している。
今回の群発地震は、2021年12月に悪石島で震度5強を観測した一連の地震と同じメカニズムだとしている。この時はおよそ2週間、震度1以上が継続した。
気象台の谷口正実地震津波火山防災情報調整官はトカラ列島近海の地震について、「過去の活動でも回数や経過など多様な形態が見られ、収束時期を推定することは難しい」と説明する。
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