JR霧島神宮駅舎、木が香る温もり空間へリニューアル 県産木材ふんだんに伝統技法で骨格造り 来年3月完成

 2023/09/13 11:53
のみなどを使って骨組みの木材を組み上げる大工=霧島市霧島大窪
のみなどを使って骨組みの木材を組み上げる大工=霧島市霧島大窪
 来年3月完成に向けて改装中のJR霧島神宮駅(鹿児島県霧島市)で7~9日、工事の中核となる駅舎内の骨格造りがあった。九州各地から集まった大工8人が、かんなやのみを使った昔ながらの「手刻み」で、木材を組み上げた。

 駅舎は鉄筋コンクリート製平屋の約280平方メートル。店舗や施設のリノベーションを手がける鹿児島市のIFOO(八幡秀樹社長)が7月から進める。

 「鹿児島/霧島のてしごとに光を当て、食と職人の付加価値を高める」が全体のビジョン。待合所や飲食店のほか、地元の職人らと今後開発する扇子や弁当箱といった“旅道具”を販売するショップなどを設置する予定だ。

 骨格造りは九州・山口の大工や設計者の共同体「九州杢人(もくじん)の会」に依頼した。鹿児島大学の演習林(垂水市)から切り出した高さ3.6メートル、樹齢100年の杉の柱を中心に据えるなど、県内産の木材をふんだんに使用。木の香りと温かみのある空間を意識した。

 IFOOは近くの店舗と協力し、駅前でマルシェを開くなど地域活性化にも取り組む。近くでは鹿大やNPO「こどものけんちくがっこう」(鹿児島市)と共同でフィンランド式サウナの建設も進めている。八幡社長(59)=霧島市霧島生まれ=は「観光客や地元の人が長く滞在したくなる場所をつくりたい」と話した。