「農基法改正に道筋」 野村前農相が退任会見 気がかりは…「家畜伝染病の拡大阻止」

 2023/09/14 07:03
退任会見で関係者や職員への感謝を述べる野村哲郎前農相=13日、農林水産省
退任会見で関係者や職員への感謝を述べる野村哲郎前農相=13日、農林水産省
 野村哲郎前農相(参院鹿児島選挙区)は13日、農林水産省で退任会見を開いた。農政の基本方針となる食料・農業・農村基本法の改正に向けた手続きに「道筋がついた」と述べ、食料安全保障の強化に取り組んだ成果を振り返った。

 野村氏は2022年8月の第2次岸田改造内閣発足で初入閣。ウクライナ侵攻を受けた飼料・肥料の価格高騰対策や、気候変動に伴う農業の構造転換に力を注いだ。「今が日本農業のターニングポイントとの訴えに職員が協力してくれた」とねぎらった。

 宮崎市で4月に開かれた先進7カ国(G7)農相会合に触れ、農業の生産性向上と環境に配慮した持続可能性の両立、食料安全保障に関する新たな指針を盛り込んだ共同声明を「議長国として取りまとめることができた」と語った。

 気がかりな点を問われ、佐賀県で発生した豚熱と、鹿児島県などで昨季流行した高病原性鳥インフルエンザを挙げた。「家畜伝染病を拡大させないようにしていくのが今後の一番のテーマ」と語り、引き続き自民党部会などで農政に取り組む意欲を示した。

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