「ここ掘れワンワン」 愛犬お手柄、流木の下に子ガメ40匹 日課の散歩中に救出、海へ

 2023/09/19 20:52
子ガメを助けた周辺を散歩する永井久信さんとラブ。流木などはこの後、除去された=いちき串木野市の野元海岸
子ガメを助けた周辺を散歩する永井久信さんとラブ。流木などはこの後、除去された=いちき串木野市の野元海岸
 鹿児島県いちき串木野市野元の砂浜で、犬の散歩をしていた同市高見町の会社員永井久信さん(67)が、流木などの間で立ち往生するウミガメの子供を見つけた。市職員も駆けつけ、40匹近くを救出して海に放した。

 見つけたのは、西薩中核工業団地に隣接する野元海岸。永井さんが9日午前6時すぎ、砂浜で日課の散歩をしていると、愛犬のラブが普段行かない流木や竹が積み上がった場所に向かった。ほえる先を見ると、挟まって動けない子ガメを発見。周囲を探して計9匹を助けると、元気に海に泳いでいったという。

 近くの釣り人から連絡を受けた市職員も同日の午前と午後に現地を訪れ、さらに30匹近くを助け出した。

 流木などは8月の台風6号で多くが打ち上げられたとみられる。市はふ化が続く可能性もあるとして、周辺から取り除く作業をした。

 永井さんは「こんなところで産卵したとは思いもしなかった」と驚き、「ラブが気づいたおかげ。少しでも助けられてよかった」と喜んだ。