同意なしでPTA会費を給与天引き…おかしい 県立高校教諭が返還求め校長らを提訴 鹿児島

 2023/09/23 08:29
 鹿児島市内の県立高校に勤める40代男性教諭が、同意なく給与からPTA会費を天引きされたとして、校長と元PTA会長を相手取り、6年分の会費計1万6560円の返還を求める少額訴訟を鹿児島簡裁に起こしていたことが分かった。文部科学省によると、PTA会費の返還を巡って現役の教員が提訴するケースは珍しい。

 7月3日付の訴状によると、教諭は着任した2017年度から、月230円の会費を同意がないまま給与から引き去られた。教諭が今年5月、校長と当時のPTA会長に返還を求めたところ、引き去り停止には応じたが、17~22年度分の返還は拒否されたという。

 PTAは保護者と教員でつくる社会教育団体。14年には熊本市立小の保護者が強制加入させられたとして提訴し、入退会自由の任意団体であると確認された。

 教諭は「PTAの必要性は理解している。組織を維持するために加入の意思を問わないような現状はおかしいと思い、訴訟に踏み切った」と話した。校長は「現時点でコメントできない」としている。

 被告側の申し立てで通常訴訟へ移行し、近く1回目の期日がある。