鹿児島交通バス12系統の維持へ県・沿線市町が赤字補てん 10系統で減便、一部地域は運行ストップ

 2023/09/27 21:33
(資料写真)鹿児島交通のバス=鹿児島市浜町
(資料写真)鹿児島交通のバス=鹿児島市浜町
 鹿児島交通は10月1日から、自治体をまたぐ地域間幹線のバス12系統を減便や他系統の路線で維持する。県と沿線自治体が補助金を出して赤字を補てんする。新型コロナウイルスの長期化による経営悪化や慢性的な運転手不足で維持が困難になり、同社が沿線の10市3町に代替策の検討を求めていた。

 27日の県地域バス対策協議会で県が明らかにした。赤字のうち、県が上限2分の1、残りを沿線市町が負担する。

 西村将男副社長は取材に「県と自治体の対応に感謝したい。厳しい状況に変わりはなく、地方の系統存続のため、国にも支援を求めていく」と話した。

 従来は原則として赤字の半分を国庫補助、残る一部を県と自治体が負担していたが、赤字がかさみ事業者の経営を圧迫していた。県交通政策課によると、減便で各系統が1日当たり3便未満になるため、国庫補助の対象から外れる。

 「加世田~加世田高校~川辺~知覧」「伊集院高校~伊作~加世田」など10系統は減便になる。

 「鹿児島中央駅~隼人駅・日当山・医療センター~重久車庫」は廃止するが、ほぼ同じルートを通る他系統で路線を確保する。「鹿児島駅~野田・島平~川内営業所」は朝の1便のみ鹿児島交通が自主運行し、それ以外は他系統でカバーするとしている。両系統とも一部地域はバスが通らなくなる。

 鹿児島交通は4月に沿線市町に代替策の検討を要請していた。各市町の対応を踏まえ、8月末に九州運輸局にダイヤ改正を申請した。