旧日本軍の「認識票」、馬毛島で見つかるも所有者分からず 種子島の鉄砲館で展示し情報提供呼びかけ

 2023/10/03 14:51
馬毛島
馬毛島
 鹿児島県西之表市などは2日、同市馬毛島で発見した旧日本軍の認識票とみられる金属板について、所有者を特定できなかったと発表した。ほかに見つかったボタン、古銭のようなものなどとともに、戦争資料として市博物館「鉄砲館」で近く展示し、情報提供を求める。

 昨年10月に文化財調査した際、南西部の砂浜で見つけた。同島で進む自衛隊基地整備の事業区域外。金属板は縦4.6センチ、横3.4センチの楕円(だえん)形で「潮八九八四」などの刻印がある。厚生労働省に照会していたが、9月25日付で「保管資料では特定に至らなかった」との回答があった。

 太平洋戦争中、陸軍徴用船「りま丸」(6989トン)が米潜水艦に東シナ海上で撃沈され、同島に多くの遺体が流れ着いた。このため、「認識票」は同船に乗船したとされる独立混成第19旅団=通称潮(うしお)部隊=に関連すると考えられている。市教育委員会は今回、新たに「西四七 四六番」の刻印を公開した。

 このほか人骨や人の歯も見つかったが、行旅死亡人としての公告期間中に情報は寄せられず、市の無縁墓地に安置したという。

 情報提供は鉄砲館=0997(23)3215。

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