林内科胃腸科病院（鹿児島市武２丁目）は、職員に無料で飲料を提供する「理事長のおごり自販機」を導入した。身分証を２人同時に自販機にかざすと、それぞれ無料で購入できる。飲料を手に入れようと職員が声をかけ合うことで、職員間の交流促進に役立っている。

　「おごり自販機」はサントリー食品インターナショナル（東京）が事業所向けに始めたサービス。同病院は７月に導入した。職員１人当たり週２本まで無料になる。
　同病院を運営する医療法人起生会の花田博実理事長（４９）は「厳しい感染対策に協力し続けている職員への福利厚生に加え、会話が増えてチーム力向上にもなればと設置した」と話す。花田さん自身も購入を誘われるなど、職員からの声かけが増えたという。

　複数の診療科がありフロアによって外来や入院病棟に分かれる同病院では、医師、看護師、診療放射線技師、事務などとさまざまな職種の職員が働く。コミュニケーションを促すため職種や部署の垣根を越えペアでの購入を勧めている。

　入退院支援看護師の萬福珠美さん（４４）は「あいさつする程度だった他部署の人と話すようになった。若手が上司を誘っている場面も見かけるし、ちょっとした会話の糸口になっているのでは」。リハビリテーション課の東福省吾さん（３７）も「購入する際の雑談がリフレッシュになる」と評判は上々だ。

　今後は新人が多くの職員と話せるよう本数制限のない「無限カード」の貸し出しなども検討し、職員がコミュニケーションしやすい環境をつくっていくという。