時計 2020/10/17 22:00

64歳で消防団デビュー 「水難経験生かしたい」 姶良の日高さん

姶良市消防団で活動する日高幸男さん=同市脇元
姶良市消防団で活動する日高幸男さん=同市脇元
 姶良市平松の無職日高幸男さん(66)は、市消防団重富分団脇元部に入団して1年になる。64歳での消防団デビューは、市内の現役団員で最高齢。かつて水難事故に遭った苦い経験を胸に、「地域の役に立ちたい」と意気込む。

 市消防本部によると、現在471人いる団員中、60歳以上で入団した未経験者は3人だけ。建設会社を退職し、父をみとった日高さんは昨年8月入団した。地元白金原の自治会長から「団員不足で困っている」と聞いたのがきっかけ。自治会や消防団は日ごろから父を気に掛けてくれていた。「そんな地域に恩返ししたかった」と振り返る。

 加えて背中を押したのが、2017年の仕事中に体験した水難事故。鹿児島市内の水路で作業中に天気が急変、同僚3人と約500メートル流されたところを近くの高校生に助けられた。「水位は10センチほどだったが、流れが速くて足を取られた。水の怖さを伝え、防災意識を高められたら」

 脇元部には18人が所属する。重富中学校の近くで若い世帯も比較的多い地区。団員の平均年齢は45.7歳で、日高さんは最年長だ。

 まだ火災現場への出動はないが、今年7月の大雨や9月の台風時には、高齢者を避難所に誘導したり、近くの漁港の水門を閉めたりした。平時は、月2回の消防車や防火水槽の点検を欠かさない。

 同分団の竹之内琢副分団長(57)は「まだ慣れない面もあるだろうが、率先して取り組んでくれる。頼りがいがある先輩」と期待する。日高さんは「まだ体力には自信がある。日中は勤めに出る現役世代に代わり、地域を支えたい」と語った。