時計 2020/10/29 06:30

光るクモヒトデ、国内初確認 瀬戸内町・加計呂麻島沿岸

加計呂麻島沿岸で見つかったキンハブトラノオクモヒトデ(藤井琢磨特任助教提供)
加計呂麻島沿岸で見つかったキンハブトラノオクモヒトデ(藤井琢磨特任助教提供)
 鹿児島大学国際島嶼教育研究センター奄美分室の藤井琢磨特任助教(33)=動物系統分類学=らは、緑色の光を発するクモヒトデの一種を、日本で初めて瀬戸内町の加計呂麻島沿岸で確認したと28日発表した。毒蛇ハブの体色としては珍しい金や白黒から「キンハブトラノオクモヒトデ」と和名を付けた。新種の可能性もある。日本動物分類学会の国際誌「スピーシーズ・ダイバーシティ」の電子版に同日付で掲載された。

 クモヒトデは、ヒトデと近縁の無脊椎動物で、多数の骨片がある5本の腕を持つ。キンハブトラノオクモヒトデは腕を伸ばすと全長50センチほど。

 加計呂麻島沿岸の水深15メートル付近の砂底で、藤井特任助教が2019年9月、20年2月に2匹採集。東京大学大学院の岡西政典特任助教(37)=動物系統分類学=との共同研究で、インドネシアなどで90年前に報告例があるクモヒトデ「オフィオプシラー・ポリーアーカーンザー」に類似することを突き止めた。ただ、腕にある針の数には違いがあった。

 発光するのは、補食する魚などへの防御行動と推測。藤井特任助教は「今後、生態学的特徴と発光現象の関連性を明らかにできれば、光る原因の解明につながる。海洋生物の発光研究の材料としても有望と言える」。岡西特任助教は「奄美の生物多様性の解明に貢献できた。人目に付かない生物に注目が集まればうれしい」と話した。