時計 2020/11/12 17:00

新過疎法の自民素案 鹿児島県内の十数市町村が指定除外・縮小 南日本新聞試算

南日本新聞ニュース
 国が過疎の自治体を支援する過疎地域自立促進特別措置法(過疎法)は2021年3月末で期限切れを迎える。自民党は議員立法による新法を検討中だが、要件見直しで鹿児島県内の十数市町村が指定から外れたり、対象地域が縮小したりする可能性があることが分かった。指定除外になると、返済額の7割が交付税措置される過疎対策事業債(過疎債)が発行できなくなるため、自治体運営にも影響が及ぶとみられる。

 過疎法が指定する「過疎地域」は人口の減少率と財政力の弱さで決まる。現在県内ではいちき串木野市と出水市を除く41市町村が対象。自民党の特別委員会が9月にまとめた素案では、人口減少の基準年を見直す方針が示された。現行法の1960年を、地方圏からの人口流出がいったん収束した75年か80年を軸に「引き続き検討する」としている。

 南日本新聞が75、80年を基準年に、人口減少率を含む主な要素を現状通りで試算したところ、東串良町や龍郷町などが除外対象となった。離島で財政基盤も弱い十島村も外れる恐れがある。人口減少率や合併前の過疎市町村の扱いのほか不確定な面もあり、実際にどうなるかは流動的だ。

 県過疎地域自立促進協議会の森田俊彦会長(南大隅町長)は「どう考えても過疎と思われる自治体が外れる可能性が出ている。一部の指数だけで判断せず、しっかり状況分析してほしい」と話す。

 素案は、過疎地域の持続的発展を後押しするため、デジタル技術による遠隔医療・教育やテレワーク推進、企業移転による雇用創出などを重点分野と位置付け、財政支援を強化するとしている。期間は31年3月末までの10年間。自民は公明や野党とも協議し、年明けの通常国会に法案を提出し、4月施行を目指す。

〈過疎法〉1970年に10年間の期限付き議員立法として施行され、期限延長や内容を再検討した新法制定を繰り返してきた。現在県内の95.3%に当たる41市町村が過疎地域に指定され、割合は島根県に次いで2番目に高い。指定は市町村単位が基本だが、合併特例で旧市町村単位の「一部過疎」もあり、県内では鹿児島市(旧桜島町)や姶良市(旧蒲生町)など6市が該当する。