時計 2021/06/04 06:30

南種子も自衛隊施設誘致へ 艦艇専用岸壁の整備など要望 馬毛島基地計画で西之表との違い鮮明に

南種子町が自衛隊専用岸壁の整備を求める島間港
南種子町が自衛隊専用岸壁の整備を求める島間港
 西之表市馬毛島への米軍空母艦載機陸上離着陸訓練(FCLP)移転を伴う自衛隊基地整備計画を巡り、南種子町が関連施設を誘致する方針を固めたことが3日、分かった。島間港に自衛隊艦艇の専用岸壁を整備することなどを求める。中種子町も官民一体で施設誘致を進めている一方、西之表市は一貫して反対の立場。種子島1市2町のスタンスの違いが鮮明になった。

 2町長は5月、地元選出の森山裕衆院議員にそれぞれ要望した。森山氏は南日本新聞の取材に「日米間の約束は守らないといけない。同盟強化のため基地は必要」と指摘。「2町は(日米)共同訓練にも協力している。期待に応えられるよう努力したい」と述べた。

 南種子町の要望書は、商工会など9団体でつくる町自衛隊誘致推進協議会との連名。2020年5月発足の航空自衛隊「宇宙作戦隊」に触れ、「宇宙センターを有する町としてもさらなる協力、連携が必要不可欠」とした。

 ロケット運搬に使用される島間港は鹿児島県が管理し、岸壁の最大延長は220メートル。要望書では近くの海岸を埋め立て、長さ450メートル級の岸壁を整備する図案を提示した。3区画に分け、自衛隊艦艇とロケット運搬を専用で使う構想で防衛、文科両省による整備を見込む。鹿児島市のマリンポートかごしまで整備が進む新岸壁の延長は410メートル。

 旧南種子高校跡地(8000平方メートル)内の隊員宿舎、18、19年に陸自などが利用した前之浜海浜公園へのパラシュート降下訓練用地活用も求めた。同校では宿舎2棟と多目的ホール新設などを想定する。

 南種子町の小園裕康町長は「町にも協議会から誘致推進の要望があった一方、反対意見は届いておらず、施設誘致が住民の意向と判断した。要望書は協議会の素案を基にした」と説明。「基地整備が進む前提での要望。計画への賛否表明ではない」と述べた。

 中種子町は要望で、町有地や私有地に関連施設を整備する場合、全面的に協力する意向を示した。