2021/06/19 12:00

ライカ全面オープン 鹿児島中央駅前に“厚み” 天文館との回遊性向上期待 コロナ後の観光受け皿になるか

買い物客らが行き交う商業施設「Li-Ka1920」。1階は一番街アーケードにつながる通路が貫通する=18日、鹿児島市中央町
買い物客らが行き交う商業施設「Li-Ka1920」。1階は一番街アーケードにつながる通路が貫通する=18日、鹿児島市中央町
 鹿児島中央駅東口の商業施設「Li-Ka(ライカ)1920」が18日に全面開業し、鹿児島市の玄関口として駅前の商業集積はさらに厚みを増した。新型コロナウイルス禍の打撃が続く駅周辺の商店街や天文館地区からは、回遊性の向上や波及効果を期待する声が聞かれた。

 ライカと210戸のマンションが入る再開発ビル「鹿児島中央タワー」は、構想からおよそ16年がかり。事業の中心となった南国殖産(鹿児島市)は、中央駅東口で2009年の南国センタービルを皮切りに、鹿児島中央ターミナル、南国アネックスと再開発ビルを次々手がけてきた。

 中央タワーと同ビル駐車場の16番街区ビルを合わせ計5棟の東口開発が完了した。永山在紀社長は、高架歩道でつながる駅ビル、アミュプラザ鹿児島との連携を重視。「東口の存在感は一段と高まる。周辺商店街とも協力し、鹿児島の魅力を発信したい」と地域経済への貢献を誓った。

 駅西口にもJR九州が今秋、複合商業施設を着工する予定だ。アミュを運営するJR鹿児島シティ販売促進課の本田ちひろ副課長は「中央駅に『住み、訪れ、働く』人が増えることで、新たなにぎわいを一緒に作りたい」と相乗効果を期待する。

 「新幹線開業以来、駅周辺は様変わりした」と一番街商店街の長岡洋一理事長は感慨深げ。人通りの増加を見込み、東口の各通りには、コロナ下にもかかわらず飲食店の開業が目立つ。「最近は空き店舗も出ない。今は観光客の姿はないが、にぎわいを取り戻していけたら」とコロナ後を見据える。

 中央駅地区以外の商業関係者も注目する。同市東開町のイオンモール鹿児島の伊藤順店長は同日、視察に訪れた。「東口の求心力が強まる。駅前で買い物が全て事足りる、となりかねない」と危機感を強めた。

 天文館地区では、千日町1.4番街区再開発ビルが、22年春の開業を目指す。天文館の活性化を目指す「We Love 天文館協議会」の牧野繁会長は「これまで通り、中央駅を含めた街づくりに取り組みたい」。

 九州経済研究所の福留一郎経済調査部長は、中央駅、天文館の再開発事業の進展で「コロナ後の観光回復へ向け、受け皿が整う」とみる。「中央駅と天文館は回遊が苦にならない距離感で、ダイナミックな流れができる。鹿児島市一極集中とせず、いかに県外から人を呼び込み、地方に波及させるかが、次の課題」と指摘した。