2021/09/22 11:00

町田小6いじめ自殺 端末配備に集中、情報モラル教育大丈夫?

情報モラルについてタブレットを使って学ぶ児童=17日、鹿児島市の吉野小学校
情報モラルについてタブレットを使って学ぶ児童=17日、鹿児島市の吉野小学校
 昨年11月、東京都町田市立小6年の女児がいじめを訴えて自殺した問題で、学校が配布したタブレット端末が悪口の送信に使われていた。小中学生に1人1台の端末を配備する「GIGAスクール構想」が本格化する中、鹿児島県内の学校現場は情報モラル教育にあらためて力を注ぐ。

 両親らによると、女児は端末のチャット機能で「きもい」「死んで」などの悪口を書かれた。女児の学校はパスワードが全員「123456789」で、成り済ましによる書き込みが可能だった。

 端末を自分専用で使うには、IDと本人確認のためのパスワードが必要。英数字を交ぜた複雑な文字列が良いとされる。

 鹿児島県教育委員会によると、県内公立学校の端末はIDとパスワードを登録する際、個人を特定しやすい出席番号や名前を使わない。子ども同士のチャットができないよう制限もかける。担当者は「町田のような事案は考えにくい」と説明。市町村教委には、児童生徒が勝手にアプリを入手できないよう機能制限を求めている。

 垂水市教委は15日の校長研修会で町田市の事案に触れ、「テレビ会議システムでは教員の管理下、チャットが使える。授業後、教員が終了の操作をせず、子どもがやりとりを続けていたことがあった」と注意喚起した。

 ただ、端末は学校の管理の及ばない私物も普及している。国のいじめ調査では、パソコンや携帯電話を使った中傷は2019年度1万7000件を超え、5年前の2倍に増えた。

 鹿児島市教委は、個人情報の扱いやネットいじめへの対処を端末で学ぶアプリを導入。9月中に全小中で使えるよう準備を急ぐ。

 吉野小は各校に先行して導入。17日、6年4組が道徳の授業で使った。「ネットに悪口を書いてもすぐに消せば大丈夫?」。端末に表示された問いに、児童は回答を選択。ゲーム感覚で学んだ。

 上別府大夢君は「端末は人を傷つける怖さもあるので気をつけたい」。汾陽(かわみなみ)恭子教諭(37)は「コロナ下、ネットでつながりたい気持ちは強まっている。便利さと同時に危険性も伝えたい」と話した。