避難所のオストメイト用 段ボール個室 人工肛門・ぼうこう利用者の相談受け開発 組み立て簡単で安価 鹿児島

 2021/10/11 09:05
段ボール製のオストメイトルームを説明する日本オストミー協会鹿児島県支部の石澤隆之支部長=姶良市の県防災研修センター
段ボール製のオストメイトルームを説明する日本オストミー協会鹿児島県支部の石澤隆之支部長=姶良市の県防災研修センター
 鹿児島新生社印刷(鹿児島市)は、人工肛門や人工ぼうこうを利用するオストメイトの相談を受け、避難所で装具を交換できる専用の段ボール個室を開発した。姶良市の県防災研修センターに設置し、12月下旬まで展示する。

 組み立て式で広さは畳1枚分ほど。排せつ物の処理袋を設置できるボックスや、交換に必要な備品を置ける汚れに強い段ボール製の棚をセットにした。入り口にカーテンを取り付け、天井は採光と防臭のため透明フィルムで覆った。1セット4万2900円。

 日本オストミー協会県支部が、避難所向けの段ボール製パーティションを開発販売している同社に相談を持ち掛けた。同支部によると、排せつ物の処理には30分ほどかかる。トイレの少ない避難所で、長時間の占有は周囲に迷惑を掛けることにもなり、心理的な負担が大きいという。

 同支部が把握する限り、県内で備蓄されているオストメイト対応仮設トイレは、鹿児島市のテント型10基のみ。石澤隆之支部長(74)は「既存のテント型は1基約20万円と高価で数をそろえにくい。安価で組み立てやすいこの製品を各自治体に整備してもらえれば」と期待する。

 利益度外視で開発したという同社制作部の萩原博文さん(43)は「オストメイトの見えない苦労を知った。気兼ねなく避難所に行けるよう支援できれば」と話した。
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