「オリンピックに出たい。でも手足の指が足りないからパラリンピックかも」 心打つ9歳の新聞投稿。ありのままを受け止める少年に、世代を超えたエールが届く

 2021/10/08 21:11
「応援してくれてありがとう」と新平ミフさん(左)に感謝の気持ちを伝える末村颯大君=南九州市頴娃
「応援してくれてありがとう」と新平ミフさん(左)に感謝の気持ちを伝える末村颯大君=南九州市頴娃
 「ぼくがオリンピック・パラリンピックで出たい種目は野球です。でも手の指が1本ずつ、足の指も1本と2本しかないので、パラリンピックかもしれません」。本紙ひろば欄「若い目」への投稿が、小学4年生と70代の女性との絆を結んだ。五輪への思いを記したのは東串良町の柏原小学校の末村颯大君(9)。心を打たれた南九州市頴娃の新平ミフさん(77)がひろば欄で「困難をものともせず努力を続ける姿は金メダルよりも尊い宝物」とエールを送ったことから、世代を超えた交流が始まった。

 末村君は生まれたとき、医師に「まっすぐ立つことが難しい。歩けるようになるかどうか分からない」と告げられた。父義直さん(51)、母玲子さん(44)は複数の病院に相談。足の指を手に移植する手術を勧められた。

 しかし、生まれてきたままの姿を大切にしようと決断。「一人一人が大事な存在。一緒に社会に出て、彼が特別な存在ではないと知ってもらおう」と考えた。

 両親のそんな思いをしっかり受け止めた末村君。「ぼくが大切にしている言葉は『ないものを数えるな。今あるものを最大限に生かせ』です。この言葉で不安な気持ちが飛ばされ、心を動かしてくれます」とつづっている。

 末村君は3日、直接お礼を伝えるために弟の健晴君(7)、妹の嘉那ちゃん(5)と新平さん宅を訪問。「ゆめをかなえるためにがんばります」と書いた手紙を手渡した。

 新平さんは「遠く離れた東串良に、かわいい友人ができてうれしい」と笑顔をみせ、「ありのままを受け止めることは簡単ではない。勇気ある投稿だったと思う。夢を追う颯大君を今後も見守っていきたい」と話した。
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