半年で抗体量85%減少 ファイザー製コロナワクチン 鹿児島市・米盛病院調べ

 2021/10/17 11:15
 鹿児島市の米盛病院は16日、新型コロナウイルスのファイザー製ワクチンを2回接種した同院の医療従事者らに対し、接種から6カ月後の抗体検査を実施した結果、検査に応じた638人の抗体量の平均値が5カ月で約85%減少していたと明らかにした。

 同院は7月にも接種3カ月後の抗体量が半減することを公表している。

 抗体検査は4~8日にあった。638人は1回目のワクチンを3月7~13日、2回目を28日~4月6日に受けた。内訳は男性287人(平均年齢37.0歳)、女性351人(同34.4歳)。

 ファイザー、モデルナ社製の「メッセンジャーRNA(mRNA)」ワクチンは、ウイルスの表面にあり、人の細胞に入り込む上で重要な働きをするスパイクタンパク質に対する抗体をつくる。同院はこの抗体の量を検査した。

 接種1カ月後の抗体の濃度(AU/ミリリットル)の平均値は6994AU/ミリリットルだったのに対し、3カ月後は53.2%減の3158AU/ミリリットル、6カ月後は1007AU/ミリリットルとなった。

 感染予防に効果がある抗体量は約4000AU/ミリリットルとされている。国が検討を進めている3回目接種について米盛公治院長は「十分な感染、発症防止効果を得るためにも、早い時期に接種した高齢者や医療従事者の接種は必要ではないか」と話した。

■「有効性が減るわけではない」

 米ファイザー製ワクチンの接種から半年後、抗体量が約85%減少したとする米盛病院の検査結果について、日本感染症学会ワクチン委員会の西順一郎委員長(鹿児島大学大学院教授)は「抗体はワクチンで作られる免疫の一部分で、抗体価が下がった分だけ有効性が減るわけではない」と説明している。

 西委員長によると、ファイザー製などの「メッセンジャーRNA(mRNA)」ワクチンは、抗体を作ることで細胞内へのウイルスの侵入を防ぐ「液性免疫」を獲得する働きがある。さらに、感染した細胞をリンパ球が破壊する「細胞性免疫」と呼ばれる機能を得ることもできる。「二つの免疫が同時に働くことで感染や発症、重症化を防ぐことができる」と話す。

 西委員長は同院が公表したデータについて「貴重な報告だ。実際の感染者の状況などを照らし合わせ、慎重に評価したい」と話した。