自民前職・金子氏×元知事・三反園氏 「農業票」巡り激しい戦い 衆院選鹿児島2区

 2021/10/23 21:20
 衆院選鹿児島2区で南薩地区の「農業票」を巡り、自民前職の金子万寿夫氏(74)と無所属新人の三反園訓氏(63)の攻防が激しさを増している。サツマイモや茶の一大産地だが、農家はそれぞれ基腐(もとぐされ)病、価格低迷と課題を抱える。金子氏はJAを母体とする農民政治連盟を足がかりに政権与党の実績をアピール。三反園氏は農家を個別に訪ねる現場主義に徹し、身近な存在感を訴える。共産新人の松崎真琴氏(63)も改めて南薩入りし、戸別所得補償などを強調する予定。

 「基腐病は南薩の死活問題と捉えている。圧倒的勝利を目指そう」。22日、指宿市のJAいぶすき本所であった金子氏の街頭演説会。農政連の地区責任者を務める福吉秀一組合長(61)は農家など約150人を前に結束を呼び掛けた。

 農政連(盟友約3万5000人)は保守王国・鹿児島の土台となる組織。これまで圧倒的な集票力で自民候補を支えてきた。

 演説会には農政連出身の野村哲郎参院議員(77)=鹿児島選挙区=も同行した。基腐病に苦しむ農家が、営農を継続できるよう金子氏が農林水産省側に直談判した様子を紹介。「力のある政治家。信念を持って行動する人を選んでほしい」と協力を求めた。

 金子氏は「国会で農業を語るのは自民党議員だけ。農家を守る役割を果たせるのは私」と力を込めた。市内でマメ類やオクラを作る水迫智弘さん(49)は「農業の発展には自民の強い組織力が必要。混乱よりも安定した政治がいい」と話した。

 対する三反園氏は21日、南薩の農家を選挙カーで回り、現場を視察しながら課題に耳を傾けた。

 南九州市頴娃ではサツマイモ農家5人と意見交換した。農家は「基腐は年々ひどくなる。特効薬を一刻も早く開発して」「生活ができず、今のままではイモ農家はいなくなる」と窮状を訴えた。

 基腐病が初めて確認された2018年当時、知事だった三反園氏は「県レベルでは対応は難しい。国会議員のバッジを付けたら一刻も早い対策を国に求めていく」と応じた。元JA職員の農業祝迫正哉さん(61)は「知事時代の行動力を見ている。現場の声を聞き、素早い対応を期待したい」と支援に回った。

 枕崎市では茶農家を訪問し、販路拡大について意見を交わした。「自民党であろうがなかろうが、現場に足を運び農家のためになる人に投票したい」と茅野薫さん(80)。陣営は「相手は横綱。何でもやる」と自民党員の案内でJA施設を訪問し、支援を求めた。

 松崎氏は「戸別所得補償、価格保障などで農業経営を支援し、無制限な輸入に歯止めをかける」と訴え、28日に南薩に入る計画だ。