〈衆院選 令和決戦の余波〉鹿児島3区 “初黒星”の小里氏 週刊誌報道が再燃、女性の支持離れに拍車
2021/11/06 08:36

つじ立ちし、頭を下げる小里泰弘氏=1日、薩摩川内市の国道3号
式後、「重い責任を感じる」とした上で「年金や新型コロナウイルス対策など、さまざまな課題が地域で未解決だ。米価暴落など新たな問題もある。国政の場でこれらをきちっと主張し、与党に受け入れさせるのが私の役割」と意気込んだ。
■地球8周
県内4選挙区で初めて実現した野党共闘は唯一、野間氏の当選に結び付いた。野間氏は「一騎打ちの構図にするには候補の一本化が必要だった。それができた意味は大きい」。
共闘した共産票、立民を支える連合鹿児島の票を取り込んだ。かつて自民党に所属した恩師で故・松下忠洋元金融相から受け継いだ保守票も死守した。
2017年の区割り見直しで編入された旧4区を含め、落選から4年間、3区をくまなく回る“草の根活動”を年中無休で続けた。車1台を乗りつぶし、走行距離は計30万キロを超え、地球8周分を回ったことになる。選挙期間中、枝野幸男代表、安住淳国対委員長らも薩摩川内入り。安住氏は「野党で土の匂いが一番する男。全国一の苦労人」と訴えた。
立民が全国的に議席を減らした責任を取り、枝野代表は辞任意向を表明。鹿児島県連は代表を務める川内博史氏(60)が1区の議席を失ったこともあり今後の対応を検討する。
県内の国会議員は1人のまま。地方議員数も9人どまり。立民が掲げる政権交代を果たすには克服すべき懸案は多いのが実情だ。
■比例復活
県内でも保守色の根強い3区。連続6期当選を信じていた自民の小里泰弘氏(63)陣営に衝撃が残る。
10月31日の開票時、薩摩川内市の事務所に支援者約80人が集まった。午後10時すぎ、野間氏「当確」が伝わると、静まり返った。
「私の力不足。支えてくれた皆さま、誠に申し訳ありませんでした」。小里氏は声を振り絞り、頭を10秒間下げ続けた。前回約1万2000票あった得票差は、約1万5000票差にひっくり返された。
“初黒星”を喫した要因の一つが週刊誌が報じた小里氏の女性問題だ。公示前、別の週刊誌も取り上げたため再燃し、支持離れに拍車が掛かった。
共同通信社が実施した出口調査が裏付ける。回答者のうち小里氏に投票した女性は43.7%。年代別は軒並み劣勢で、特に10代は27%にとどまった。推薦した公明支持者も39.7%が野間氏に投じた。
選挙事務所を立ち去る支援者を見送り、小里氏の家族は憔悴(しょうすい)し、周囲の支えがなければ立っていられないほど。がらんとした会場に支援者十数人がとどまり比例復活を待ち続けた。当選が分かった1日午前2時半すぎ、小里氏は改めて陳謝し「ゼロからの出発」を誓った。
ホームページは3日更新され「何とか議席を得ることができた」と感謝を伝える。「反省すべき点も多々」あったとし、さらなる精進へ覚悟をつづった。
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