地頭の娘と漁師 室町時代の悲恋伝える石塔か 2人の霊鎮める?記述通り 種子島の山中で確認

 2021/11/15 21:30
石塔について説明する鮫嶋安豊さん(中央)=西之表市安城
石塔について説明する鮫嶋安豊さん(中央)=西之表市安城
 西之表市安城の山中で、室町時代の悲恋に関すると思われる石塔が見つかった。郷土史に詳しい市立図書館の鮫嶋安豊館長(80)が昨年末に確認。10月中旬にあった地区の史跡巡りで市民に紹介された。

 当時一帯を治めていた羽生(はぶ)家の家譜によると、地頭職を務めた羽生右京の娘・安姫は、相撲の名人として知られた漁師の又四郎と恋に落ちた。身分の違いを許さない右京の命で姫は殺され、又四郎も後を追って自殺した。

 2人の死後、地域では不思議な出来事が続発。2人の霊を鎮めるため、「下御山(しもの・みやま)」と呼ばれ神聖視されていた山にほこらを建てたとの記述が残る。

 鮫嶋さんは、家譜や地元の言い伝えを基に「下の御山」の位置を推定。シイの大木に囲まれた場所に、高さ約80センチのこけむした石塔を見つけた。表面に刻字は見当たらなかったが、周囲に崩れた石垣の跡もあった。「2人を祭ったほこらだろう。悲恋が真実だった証明になる」と語る。

 史跡巡りに参加した同市西之表の尾形公雄さん(70)は「昔の話を裏付けるようなものが残っているとは」と驚いていた。
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