にぎわい、そろり回復を実感 会食制限撤廃後初の週末、天文館を歩く 新型コロナ・鹿児島

 2021/11/28 07:34
久々にみんなで再会し、飲食を楽しむ友人たち=27日午後7時40分、鹿児島市千日町の「奥座敷しげ」
久々にみんなで再会し、飲食を楽しむ友人たち=27日午後7時40分、鹿児島市千日町の「奥座敷しげ」
 鹿児島県が新型コロナウイルス対策のための会食時の人数や時間制限を撤廃して初の週末となった27日夜、鹿児島市の天文館を歩いた。寒空の中、酔客が手に息を吹きながら店を探していたメイン通りを外れた途端、人影がまばらに。師走の忘年会シーズンを目前に控えた歓楽街には、にぎわいと寂しさが入り交じっていた。

 文化通りでは、赤や白のクリスマスイルミネーションが輝き、久々に華やいだ気分になる。20、30代の若い世代が多く、40歳以上が少ない印象だ。

 午後7時を回り、千日町の居酒屋「奥座敷しげ」をのぞいた。入り口に消毒液があり、店内のあちこちには食事以外でのマスク着用を呼び掛ける張り紙が目立つ。一角には、久しぶりの再会を喜び合う仲間6人の姿があった。「乾杯!」。ジョッキを片手にアクリル板の隙間から腕を伸ばし、笑顔がはじけた。

 同市希望ケ丘町の会社経営山畑考生さん(48)は「みんなで集まったのは1年半ぶり。近況報告で話が止まらない」。おかみの樋高恵美さん(47)は「客足が徐々に戻っているが油断できない。感染対策は手を抜けない」とまだまだ慎重だ。

 午後8時半すぎになると、1次会を終えた客が目立ってきた。8〜10人ほどのグループが円陣を組み「次はどこにしようか」。“作戦会議”をするおなじみの光景に懐かしさを感じた。

 文化通りから別の路地に入ると、少し薄暗くなった。営業していない店も多く、通行人も少ない。客引きの声だけが寂しく響いていた。空車表示のタクシーが速度を落とさずに通過するほどだった。

 電車通りのタクシー乗り場には8台が客待ちをしていた。運転代行業の下泉仁司さん(60)は「利用客は増えているが、50、60代のお客はまだ戻ってきていない。2次会がないのか、コロナ前よりもピークの時間が早い」とこぼす。

 日没から午後9時すぎまで歩き、客足が戻ってきたのを実感できた。ただにぎわいが完全に回復するまではもう少し時間がかかりそうな気がした。