「安心? まだまだ」 鹿児島・出水鳥インフル 移動制限解除でも、気の緩み警戒

 2021/12/09 09:00
県が設置した車両消毒ポイントでストーブや電光掲示板を撤去する業者=8日午前、出水市高尾野町下水流
県が設置した車両消毒ポイントでストーブや電光掲示板を撤去する業者=8日午前、出水市高尾野町下水流
 出水市の2養鶏場での高病原性鳥インフルエンザ発生を受けて県が半径3キロ以内に設けた移動制限区域は、8日午前0時で解除された。一夜明けて関係者は一息つきつつ、「(渡り鳥シーズンの)冬はこれからが本番で安心できない。いつ発生してもおかしくない」と、防疫対策の緩みを警戒した。

 県は同日午前、出水、阿久根両市の計6カ所に設置していた車両消毒ポイントの機材を撤去。両農場から3キロ内にある国道3号沿いの出水市高尾野町下水流では、業者がストーブや電光掲示板、照明などをトラックに積み込んでいた。

 ただ、市内では2例目の発生後もツルやねぐらの水から高病原性ウイルスが相次いで確認されている。市は、ツル渡来地周辺に設けた有人消毒ポイントや散水車による路面消毒を当面継続する方針だ。

 「終息を迎えたが、感染リスクが高いのはむしろこれから。引き続き警戒が必要だ」と訴えるのは椎木伸一市長。行政や関係団体でつくる対策本部会議を開き、改めて防疫対策への協力を呼び掛けた。

 卵や鶏肉の移動・出荷が規制された10キロ内に系列農場の大半が含まれた出水市のマルイ農協は、鶏舎に設ける金網の強化などを進める。生産課の成瀬弘和課長代理(42)は「解除を機に気を引き締め直したい。リモート会議で農家との情報共有も大切にする」と話した。

 採卵鶏約14万羽を飼育する阿久根市脇本の「吉岡ファーム」は、3~10キロの搬出制限区域に入っていた。吉岡剛社長(58)は「ひとまず一区切り。だが全国で発生が相次ぎ、まだまだ安心できない。ウイルスは目に見えず、どこで起きてもおかしくない。コストはかかるが、ネズミ対策や消毒など引き続き徹底したい」と力を込めた。
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