馬毛島に自衛隊基地整備へ 塩田知事「防衛省の姿勢、丁寧さ欠ける」 地元説明なしの決定を批判

 2022/01/14 07:37
防衛省担当者と面会後、記者団の取材に応じる塩田康一知事=13日、鹿児島県庁
防衛省担当者と面会後、記者団の取材に応じる塩田康一知事=13日、鹿児島県庁
 防衛省は13日、鹿児島県庁を訪れ、塩田康一知事に西之表市馬毛島への米軍空母艦載機陸上離着陸訓練(FCLP)移転を伴う自衛隊基地整備計画の決定を伝えた。担当者は南西諸島の防衛態勢と日米同盟の抑止力強化に向け施設整備を急ぐ必要性を訴え、環境影響評価(アセス)手続き後に速やかに着工したい考えを改めて強調した。塩田知事はアセスの途中段階での決定に「何がどう進んでいるのか分からない。丁寧さに欠ける」とし、整備に前のめりな国の姿勢を批判した。

 県が整備決定を巡り防衛省から直接説明を受けるのは初めて。約30分間の面会で塩田知事は、滑走路など基地本体の整備費用を計上した2022年度予算案が昨年末に閣議決定される前に地元への説明が必要だったと指摘。アセスなどの大きな進捗(しんちょく)がない中で、馬毛島が「候補地」から「整備地」との位置付けになったのが「理解できない」とした。

 同省地方協力局の岡真臣局長は「閣議決定で政府として馬毛島の事業を進めたいとはっきり示された」と説明。「安全保障環境は格段に早いスピードで不確実性を増している」とし、南西防衛の拠点となり、空母打撃群の展開に必要な施設の整備が急務とした。塩田知事は「南西防衛は大変急ぐと言うが、住民の安心安全も重要で、再度認識してほしい」とくぎを刺した。

 面会後の会見で塩田知事は「整備決定はアセス後になされるべきだった」との見解を示した。一方、7日の日米安全保障協議委員会(2プラス2)で「整備地」との認識を共有したことを念頭に「日米合意や外交の話は地方自治体で了承する、しないということではない」とも述べた。アセス結果を記す「準備書」以降に県としての考えを表明する方針は「変わらない」とした。
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