海自鹿屋基地 地中から謎の巨大な直方体 幅3メートル、奥行き2.5メートル、高さ3.5メートル 17個が一列、コンクリート製

 2022/03/04 08:18
工事現場から見つかったコンクリート塊=2月18日、鹿屋市の海上自衛隊鹿屋航空基地
工事現場から見つかったコンクリート塊=2月18日、鹿屋市の海上自衛隊鹿屋航空基地
 海上自衛隊鹿屋航空基地(鹿屋市)の工事現場の地中から、コンクリート製の構造物が見つかった。幅約3メートル、奥行き約2.5メートル、高さ3.5メートル以上のほぼ直方体で、17個が一列に並んでいる。地域の歴史に詳しい市民は「戦時中の遺構ではないか。防衛省に調査してほしい」と話す。

 現場は基地の敷地内だが正面ゲートの外側にあり、道路を挟んで市営住宅などと隣接する空き地約2万5000平方メートル。防衛省熊本防衛支局によると、土地の用途がないため財務省への移管を検討しており、地下の埋設物調査をしている。期間は昨年8月〜今年2月末の予定だったが、巨大な埋設物が見つかったことなどを受け、7月末に延ばす。

 鹿屋市平和学習ガイドの小手川清隆さん(68)によると、コンクリートには市内で採れる「荒平石」も混ぜられている。「資材が不足していた戦争末期に急造されたのではないか」と推測する。戦時中の航空写真を見ると、この付近には旧海軍の建物が3棟確認できるという。

 一列に並んだコンクリート塊は線路など重量物の土台にも見える。鹿屋航空基地史料館は「何に使われたのか見当が付かない」としている。市文化財センターは3日、熊本防衛支局からの問い合わせを受けて調査を始めた。担当者は「過去の資料を当たるが、特定できるかどうか分からない。慎重に対応したい」と話した。