「大和」沈没77年 矢矧から生還の94歳「戦争は絶対にしてはいけない。ウクライナを見て強く思う」
2022/04/12 09:00

戦艦大和などが沈没した時刻に合わせて黙とうする遺族ら=枕崎市の平和祈念展望台
太平洋戦争末期、旧海軍第2艦隊の戦艦大和と護衛艦が枕崎市沖の海戦で沈没してから77年となる7日、約90人が同市火之神公園内の平和祈念展望台に集まり戦没者を慰霊、不戦の誓いを新たにした。
海戦があった東シナ海を望む展望台では早朝から、地元のNPO法人・平和祈念展望台奉賛会が献花用の白菊を用意。全国から集まった遺族らが「鎮魂の碑」に花を手向け、手を合わせていた。
大和と巡洋艦矢矧(やはぎ)が沈没した午後2時過ぎには、全員が海に向かって黙とう。その後、トランペットで歌曲「海ゆかば」が演奏されると、声を抑えて口ずさむ参加者もいた。
当時17歳で矢矧から生還した姶良市の仮屋杉雄さん(94)は「亡くなった戦友のことを思うと、今でも言葉にならない。戦争は絶対にしてはいけないと、ウクライナの状況を見て強く思う」と語気を強めた。
奉賛会の岩田三千生理事長(62)は「自主参拝にして10年になるが、毎年全国から多くの人が訪れる。歴史が風化しないよう、伝えていきたい」と話した。
艦隊は沖縄戦に向かう途中、枕崎の西南西200キロの海域で米軍の攻撃を受け、3700人余りが亡くなった。
●徳之島
太平洋戦争末期の1945年4月7日に徳之島北西の東シナ海で撃沈された大和など、旧海軍第2艦隊の乗組員の慰霊祭が7日、伊仙町の犬田布岬であった。島民や自衛官ら約150人が、沈没した午後2時23分、戦没者に黙とうをささげた。
今年で55回目。慰霊塔は1968年に完成。西犬田布集落の徳永武彦さん(88)は当時、区長として建立の募金活動に奔走した。慰霊祭には毎年参列。「遺族も高齢となり、来島が難しくなった。地元の私たちが遺族やその家族に代わり慰霊に努め、平和への思いをつなぎたい」と話した。
大久保明伊仙町長は「国の発展は尊い犠牲のもとに築かれた」と感謝を伝えた。同集落の婦人会が鎮魂の舞を披露。航空自衛隊のF15戦闘機による慰霊飛行もあった。
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