旧日本軍の軍服、ラッパ、従軍画家の絵…収集家から譲り受けた戦争遺物は段ボール20箱分 語り継ぐメンバーHPに公開「物は客観的に事実伝える」

 2022/06/11 11:35
戦争遺物を整理する野田洋一郎さん=鹿児島市小山田町
戦争遺物を整理する野田洋一郎さん=鹿児島市小山田町
 戦時中の遺物を収集する鹿児島市西陵7丁目の委託職員野田洋一郎さん(67)が、「かごしま未来の平和館プロジェクト」と銘打ち、史料の一部約30点をホームページ(HP)で公開している。8月には実物の展示会を市内で開く。「戦争を伝え、平和を考えてもらうきっかけにしてほしい」と準備を進めている。

 野田さんは同市で続く「戦争を語り継ぐ集い」に2016年ごろから参加する。戦火を逃れた旧海軍鴨池飛行場の格納庫などが2000年代以降に相次いで解体される中、少しでも遺物を守りたいと収集を始めた。これまで喜界町で発見された米軍250キロ爆弾の尾翼や、海軍の従軍履歴表の複製などを入手した。

 今年1月、市内の収集家の男性が生前所蔵していた大量の品を譲り受けた。旧日本軍の軍服やラッパ、水筒、救急袋といった装備品をはじめ、従軍画家の戦争絵画など段ボール約20箱分。使われていた状況や経緯は不明という。知人の空き家に保管し、展示会で適切な解説文を添えて紹介できるよう調査している。

 今後、整理された史料から順次ホームページに追加するとともに、実費程度で貸し出しに応じる考えだ。遺物の寄贈のほか、考証や保管に協力してくれる人を募っている。

 ロシアがウクライナに侵攻した2月以降は、この戦争を「記録」として残すため、新聞記事のスクラップ作りにも励む。「物は客観的に事実を伝える力がある。実物を見て時代の世相や背景を感じてほしい」と力を込める。

 今月18日、戦争を語り継ぐ集い(午前10時、かごしま市民福祉プラザ)でプロジェクトについて話す。展示会は8月6~13日、鹿児島市の上町サロン「白い蔵」で開く予定。