「開かずの扉」開くか…大崎事件4度目再審請求、鹿児島地裁で22日可否決定 日弁連・小林会長「再審法改正は大きな過ちの是正」

 2022/06/21 11:03
「再審法改正は大きな過ちを是正する方法だ」と話す日弁連の小林元治会長=20日、東京都千代田区
「再審法改正は大きな過ちを是正する方法だ」と話す日弁連の小林元治会長=20日、東京都千代田区
 鹿児島地裁は22日、4度目の再審請求をしている大崎事件の原口アヤ子さん(95)について、裁判のやり直しを認めるかどうかの決定をする。事件を支援する日本弁護士連合会(会員約4万4000人)の小林元治会長(70)は2月の会長選で「再審法の改正」を公約に掲げて当選した。20日、大崎事件を通して見える再審法の課題や、冤罪(えんざい)被害者の救済が進んでいない現状について聞いた。

 -原口さんの再審可否の判断がいよいよだ。

 「これまで事件の推移を見続けてきた。(弁護団が提出した)鑑定書を冷静に読み込み、22日には再審開始決定が出るだろうと私自身は確信している」

 -事件は発生から既に40年以上が経過した。再審法をどう変えていくべきか。

 「再審の開始決定が出た場合に検察官の抗告を認めないと刑事訴訟法で規定することだ。加えて、現在は裁判官の裁量に委ねられている証拠開示についても、再審請求手続きでは全部出させるようにしないといけない」

 「再審事件を争っているのは原口さんをはじめ高齢の方が多い。時間との闘いだ。再審決定は入り口でしかなく、その後も長い道のりがある。現制度では終わりが見えたと思ったら、(検察の抗告で)振り出しに戻されるようなことが繰り返される。まずは早く入り口につかせるべきだ」

 -再審は「開かずの扉」と言われるほどハードルが高く、冤罪被害者の救済は進んでいない。

 「法律がないから進まない。裁判官は証拠が出てきて初めて判断できるが、その証拠がなかなか法廷に出てこない。証拠を出させる規定が刑事訴訟法上にないのは致命的欠陥。裁判は人間がやるので過ちもある。過ちがあった際にそれを是正する制度がないというのが、最大の過ちだ。再審法改正は、大きな過ちを是正する方法だということを日弁連としても訴えていく」

 -今月16日、日弁連内に「再審法改正実現本部」を立ち上げた。どう改正を促していく。

 「全国の自治体首長や議会、経済・労働・消費者団体などから再審法改正の要望書や請願を出してもらいたい。改正には政治の力も重要。国会議員にはメッセージの発出や、国会質問でも取り上げていただきたい。国は国民の声を聞き、改正に本気で取り組んでほしい」

 小林元治(こばやし・もとじ) 1952年、岡山県生まれ。中央大法学部を卒業し、81年弁護士登録。2016年に東京弁護士会会長と日弁連副会長を務めた。22年4月から現職。