甲子園予選ではプレーできない高3女子球児 最後の特別試合で見せた!ガッツあるファインプレー パワー差ある男子も一目置く「頑張り屋」 開会式の行進心待ちに

 2022/07/01 11:30
守備を終え、笑顔でベンチに引き揚げる井上茜空さん(右)と古市束茶さん=25日、南種子町健康公園野球場
守備を終え、笑顔でベンチに引き揚げる井上茜空さん(右)と古市束茶さん=25日、南種子町健康公園野球場
 全国高校野球選手権鹿児島大会を前に、県内唯一の3年生女子選手の引退試合が鹿児島県南種子町であった。晴れ舞台に臨んだのは屋久島高校(屋久島町)の井上茜空(そら)さん。高野連の規定で公式戦出場は男子に限られているため、熊毛地区の3校が6月25日、特別に練習試合を組んだ。井上さんは笑顔でグラウンドを駆け、高校最後のプレーを締めくくった。

 一つ上の兄が楽しそうに白球を追う姿を見て、屋久島町の岳南中学校で野球を始めた。屋久島高校では男子とのパワーの差を技術で補おうと、自主練習に励んできた。3年の三家空太(そらた)主将は「頑張り屋で、僕らも刺激を受けている」と一目置く。

 25日の種子島高校(西之表市)戦では9番ライトで先発出場。2死満塁のピンチで右翼線に上がった打球に迷わず飛びついた。グラブに収まったボールを確認し、満面の笑みを浮かべた。「無我夢中で追った。ガッツを見せられた」

 ファインプレーで捕ったボールは試合後、関係者から贈られた。2年生で打った高校初ヒットのボールも自宅に飾っており、「二つは高校生活の宝物」と話す。卒業後は県内で就職し、野球を続けられる環境を探すつもりだ。

 県高野連によると、県内の女子選手は3人。同校には1年生の古市束茶(たばさ)さんもいる。同じ岳南中出身で、誰よりも大きな声を出すチームの元気印だ。井上さんは今後の活躍に期待を寄せる。

 鹿児島大会は7月2日に開幕する。今年から女子選手が補助員として試合前の練習に参加できるようになった。ベンチ入りできない3年生も開会式の入場行進が認められる。

 「一緒にプレーできなくても、仲間と同じ舞台に立ててうれしい」と井上さん。大会4日目の初戦を心待ちにしている。

(結果詳細は南日本新聞でご覧になれます)

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