サンキョーミート(志布志)、伊佐に23年4月食肉工場開設へ 3月操業停止の日本フードパッカー「後継」に

 2022/12/05 21:33
サンキョーミートが事実上、後を引き継ぐことになった日本フードパッカー鹿児島=5日、伊佐市大口宮人
サンキョーミートが事実上、後を引き継ぐことになった日本フードパッカー鹿児島=5日、伊佐市大口宮人
 食肉処理・加工のサンキョーミート(鹿児島県志布志市、古賀満社長)が2023年4月、伊佐市に新工場「大口ミートプラント(仮称)」を開設することが5日分かった。22年度末で操業停止・清算手続きに入る日本フードパッカー鹿児島(FP鹿児島、伊佐市)の工場を事実上引き継ぐ形となる。

 サンキョーミートを傘下に持つ伊藤ハム米久ホールディングス(HD、東京)は「グループとして重点的に取り組んでいる収益基盤強化の一環。安全で良質な食肉の安定供給に一層努めていきたい」としている。

 FP鹿児島には約250人が働いており、工場が完全閉鎖されれば地域経済への影響も懸念されていた。伊佐市の橋本欣也市長は「多くの人の協力で誘致活動が実り、本当によかった。これまで以上に企業との情報交換を密に行うなどして、市の畜産業をしっかり支えていく」と話した。

 伊藤ハム米久HDなどによると、新工場はFP鹿児島が操業を終えた後、土地・建物を所有するジャパンファーム(大崎町)とリース契約を結んで開設する。年間で牛1万2000頭、豚41万2000頭を新たに処理できるようになり、サンキョーミートの供給能力は2〜3割増える。

 サンキョーミートは和牛肉をメインに輸出に力を入れており、志布志市の有明ミート工場は米国、香港など48カ国・地域の輸出認定を受けている。新工場開設で食肉処理能力が拡充し、有明ミート工場の輸出力強化にもつながるとみられる。