町営船の運賃やチップを飲食費などに…「長年の慣例だった」 不適正処理の職員5人を減給1カ月 瀬戸内

 2023/01/28 12:33
運賃が横領されていた瀬戸内町営定期船「せとなみ」=同町古仁屋
運賃が横領されていた瀬戸内町営定期船「せとなみ」=同町古仁屋
 鹿児島県瀬戸内町は27日、町営定期船の船員として勤務する職員ら5人に対し、運賃などに不適正な処理があったとして減給1カ月(10分の1)の懲戒処分をしたと発表した。25日付。

 町によると、処分したのは商工交通課の40~30代男性船員4人と別の課に勤務する元船員の30代男性。

 5人は古仁屋と請島、与路島を結ぶ定期船内で、受け取った貨物運賃の一部や客からのチップを自分たちの現金と共に保管。貨物を弁償する場合や飲食費などに充てた。期間や金額は不明。「長年の慣例だった」と話しているという。

 2022年8月、運賃を横領した疑いで別の元船員が逮捕され、捜査の中で不適正な処理が判明した。

 町は対策として船内での運賃受け取りを廃止。被害届の提出は「実態が分からず、調査に限界がある」として検討していない。

 鎌田愛人町長は「信頼を失墜させる事態でおわびしたい。信頼回復に全力を尽くす」とのコメントを出した。