輸入品高騰で脚光「サツマソイル」 下水汚泥原料の肥料、利用拡大の政府方針が後押し 生産量日本一で安価 鹿児島市水道局
2023/02/01 12:12

下水汚泥から作ったサツマソイル=鹿児島市谷山港3丁目の下水汚泥堆肥化場
谷山港3丁目の市の施設で26日、下水汚泥を使った堆肥作りが続いていた。市が野菜くずなど家庭汚水を処理して堆肥化を始めたのは1981(昭和56)年。下水処理場で発生する脱水汚泥を集め、約40日かけて好気性微生物で発酵、熟成させる。年間365日稼働し1万トンの堆肥を生産する。下水処理課によると、汚泥を使った肥料では生産量日本一という。
成分は窒素3.5%、リン酸3.9%など。根の発育などに必要なカリは少ないものの、鹿児島大学との共同研究では、葉物を中心に野菜作りに適していることが分かった。カドミウムなどの重金属が濃縮される可能性を懸念する向きもあるため、有害成分含有量の測定を2カ月に一度行い、結果をホームページで公開するなど品質管理は徹底する。
課題は販売先の確保だ。新型コロナウイルスの影響で、2020年度、21年度の販売量は8000トン前後と19年度に比べ2割減った。
一方、輸入に頼る肥料価格は高騰。都市農業センター(犬迫町)で使う肥料価格は、この1年半で2.3倍になった。対照的に20キロ220円、15キロ165円と安価なサツマソイルは、少なくともここ20年間は消費税分を除き値上げしていない。
水道局は都市農業センターのイベントや学校、町内会に無料配布しPRに力を入れる。下水処理課の堀切一志課長は「政府の方針は認知度を高める絶好の機会。新規の利用者確保に向け、農家の声を聞きながら使い勝手のいい肥料に改良していきたい」と話した。
サツマソイルは谷山港3丁目の堆肥化場で販売している。無休。
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