吉兆の現れ? 分かれた枝が再結合した「連理木」見つかる その昔、楊貴妃が永遠の愛を誓った言葉に出てくる…「神々しさ感じた」 霧島

 2023/02/05 20:45
連理木と発見者の小松敏夫さん=霧島市国分下井
連理木と発見者の小松敏夫さん=霧島市国分下井
 鹿児島県霧島市国分下井の乙宮神社境内で、2本の枝が癒着(ゆちゃく)結合した状態の「連理木」が見つかった。古くから縁結びや夫婦円満など吉兆の現れとされており、関係者は神社の新たなシンボルとしてPRしている。

 連理木は社殿裏に生える高さ約4メートルのカラタネオガタマ。根元から分かれた枝が高さ約1.5メートル地点で再びつながっている。結合部の太さは約10センチで、樹齢は不明。

 昨年12月、地元老人クラブの大掃除中に、神社地域役員の小松敏夫さん(65)が発見。「見事につながっており、神々しさを感じた」と振り返る。宮司を含め参加者四十数人は誰も連理木の存在を知らなかった。

 小松さんは、参拝者にも紹介しようと昨年末に案内板を設置した。今年の三が日は例年以上の初詣客でにぎわったという。辻信明宮司(76)は「早くも御利益を感じている。新しいパワースポットとして親しまれてほしい」と話した。

 連理木の語源は中国唐の詩人・白居易の「長恨歌」の一節。玄宗皇帝と楊貴妃が永遠の愛を誓い合った言葉として「天にあっては比翼の鳥(雌雄がそれぞれ目と翼を一つずつしか持たず、助け合わなければ飛べない空想上の鳥)となり、地にあっては連理の枝とならん」と書かれている。

 神社の主祭神は豊玉姫。創建は不詳だが、1698年の史料に社名が記されている。